甘い恋




 一瞬のうちに恋に落ちて、気付いた時には愛してた。
 ハウルとの出会いから今までを総括するとそんなところ。それはもう色々なことがあったけれど――何しろ家族が増えて戦争が終わって自分の姿まで変わってしまったのだから!――それでも、その間中ついてまわったのは彼への恋心、発展して深い愛情だった。
 いつから私はあなたが好きだったのかしら、呟いてみると、決まってるじゃないか、最初からだよ、と当然のように返ってくる言葉。
 こんなとき彼がこの上なく緊張しているのを私は知っている。臆病で弱虫な魔法使いは愛にとても敏感で、ここで否定されたらどうしようと思ってばかりいるに違いない。そしてそれにとても傷ついているのだから、本当に――
(子供みたいなひと)
「…そうね、きっとそうだわ。ずっとあなたが好きだったのね私」
 それでも肩に置かれた大きな手に、優しいまなざしに胸が熱くなったのは事実。
 ハウルはにこやかに、それはそれは嬉しそうに笑ってソフィーの首にかじりついた。
「ねえソフィー、君はいつも僕の一番欲しいものをくれるんだね」
「そうなの?」
「そうだよ」
 だってそんなの当たり前よ、きっといつだって欲しいものは同じなんだから。
 きっと今欲しかったものは肯定と愛の言葉、できるならば甘いキスも一緒にといったところ。
「ソフィー」
 こうして強気になったハウルは無敵だ。もちろん私にとってのことだけれど。
「今僕が何を一番欲しがってるかわかる?」
 当たり前よ、欲しいものはきっと同じなのだから。
 ソフィーは顔を上げたハウルの頬を手のひらで包むと、その唇にキスをした。

 いつだって欲しいものは決まってる。
 甘いキス。
 愛のことば。
 柔らかな抱擁。



 




 *POSTSCRIPT*
ハウル始めました。あーははっはーやっちまったー



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