間接照明




　間接照明ってー、なんかいやらしいですよねぇー。

　やけに間延びした声でふざけたことを言い出したのはまたもやいつもと同じく柴田純だった。
「は？」
　することもなくついついつっこんでしまったが、ここは無視するが吉だった。間違いなく。
「やだー、何言わせるんですか真山さん！」
「俺にはお前の頭の中身の方が理解できねえよ･･･」
「当たり前ですよ。いいですかぁ、脳というのは･･･」
「あーうっさいうっさい。お前ちったあ黙ってろよ」
「あ、被害者あの人じゃないですか」
「あー？ありゃ違うだろ」
「何でですか？」
「ああいうのとあんまり顔突き合わせて話したくねえんだよ」
「真山さんそれはだめですよ。どんなに苦手なタイプの方でも、それがいわゆるブス、と呼ばれるようなお世辞にも整っているとは言えない顔の持ち主だとしても被害者であることに変わりはないんですから！」
「じゃあお前一人で行ってこいよ」
「真山さん！ここで苦手を克服しないでどうするんですかぁ〜？」
「いい、いい俺は克服しなくても生きていける」
「好き嫌いすると大きくなれませんよ！」
「お前な、食いもんじゃねえんだぞ」
「あ、そうでした」
　バカじゃねえのかこいつ。
　あーイライラする。
「で、なんだよ間接照明？」
「そう！そうなんです」
　間接照明。だからなんだよそれがどうした。
「いやらしい感じがしませんか？」
「しねえよ」
「ええ〜どうしてですかぁ〜」
　そうしてもこうしてもしないものはしないのだ。
「他人と意見が食い違うことは常だろうがよ。お前ほんとにバカ？バカじゃないの？」
「失礼なこと言わないでください！」
　お前相手に失礼なことあるか、真山は言い返そうとしたが、それは柴田純本人によって止められた。
「･･･真山さん」
「あ？」
　奴の視線の先にはさっきのブスがいた。
「やっぱり彼女被害者みたいですよ。なんだかこっちを見てますし」
　おかげで何も言いたくなくなった。




　




　＊POSTSCRIPT＊
　マヤシバのつもりだけどもなってない気がしますね。ていうかもう散々ですよ。何だこれ。
　ぶっちゃけ間接照明である必要さえない



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