しみるわ




 扉の前で少しためらう。
 何とも言えない心地になって、指や膝の裏や背中のくぼみや、そういう直接には関係の無い場所ばかりがむず痒くなる。
 毎日のことなのだからさっさと慣れればいいものなのに、そうもいかない。
 勇気を出して、本当は怯えをまじえて、ドアノブに手を掛ける。ノックはしない。そういうことになっていた。
「まったく、待ちくたびれたよ!」
 ベッドに寝そべる夫を目にすると、拍子抜けしたような気分になる。
 気にすることなんて何も無いんだ、そう感じるのはこんなとき。
「そう長いことでも無いでしょう?三十分くらいだわ。あんたが二時間もお風呂に入ってるのに比べれば待ったなんて言えないくらいよ!」
 お風呂の時間で文句を言われるのはさすがに理不尽だ。
「…ああそうかソフィー、気付いてやれなくてごめんよ。毎日毎日そんなに僕を待ちわびてたなんて!」
 ハウルは読んでいた本をベッドの下に放り出す。
 ちゃんと本棚にしまってちょうだい!言えばきっとハウルは片付けるだろう。今でなく、もう少し後で。
「ちっ…違っ…例えて言っただけよ!」
「素直じゃないなああんたは」
 素直もなにも!
 ハウルの言うことはいつも癇に障る。それはきっと考えていること、思っていることを当てられてしまうからなのだろう、きっと。
 にこやかに微笑んで腕を広げるハウルを苦々しい思いで見つめる。
 曰く、さあ、この胸の中にダイブ!
 できるわけがない。
「素直も何もないじゃない…」
 ソフィーは顔を真っ赤にするとハウルに背を向けてベッドに腰掛けた。
 このベッドは二人で使うにも大きいくらい立派なものだった。結婚した時に、新しいものが絶対に必要だとハウルが言い張ったのだ。その理由は、一緒に寝るようになってすぐにわかった。
「ソフィー」
 ハウルはソフィーの首筋に唇を押しつけた。
「僕は我慢するのが嫌いなんだ」
 背中から伝わる熱が肌にしみるようだった。
 首筋の吐息がはい回る。骨張った手は柔らかな胸に触れた。
「…っハウル!」
 あまりに急なことだったから驚いてしまって、ソフィーは身を捩る。
「ほら、やっぱりあんたは素直じゃない」
 気にすることなんて何も無いだなんて、そんなのはいつだって嘘。こんなにも心臓はうるさいし体は熱いし頭の中なんて何も考えることができない。けれどそれより何より愛しさが心にしみた。馴染むように、当然のように。



 




 *POSTSCRIPT*
 年齢制限をつけないサイトにしてみようかなと思って(えー)
 いやあたしが好きなだけなんですけどねエロ。原作版の彼らはなんていうかエロとか普通に書けるけど映画版はどうにもダメです。いやあっちはあれで御伽噺な感じだしさー…こう、生臭いことあんまりしたくない感じがなんとなくするのね。うん。でも正直映画版ハウル単品だったら思う存分乱れてしまえって思うけどね。あいつエロいよなんていうか普通に(おかしい)



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